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不眠症を薬なしで改善・解消する方法 眠れない人が行うべき行動療法

生活が不規則になりやすい現代では、より不眠症に悩む人が増えていると言われています。成人の3人に1人は時々不眠になり、10%~15%の人は慢性的な不眠に悩んでいるとも。思うように眠れないのって、つらいですよね。

私も不眠症だったことがあります。しかし薬を使わない"ある方法"で大分改善した経験があるので、今回はその方法について書いてみたいと思います。

 

短期睡眠行動療法

短期睡眠行動療法というのは、簡単にいうと生活習慣を変えて不眠を改善しようというものです。これは薬を使ってもなかなか不眠やうつ病が治らない人の多くに効果があることが研究によって証明されています。その内容は渡辺範雄医師らによって、「Brief behavioral therapy for refractory insomnia in residual depression: an assessor-blind, randomized controlled trial」(PDFファイル:日本語あり)という論文で発表されました。

これを自分でもできるようにやり方をまとめたのが、自分でできる「不眠」克服ワークブック :短期睡眠行動療法自習帳(渡辺範雄 著)という本です。今回私が主に参考にしたのもこれです。8週間続けることを前提に書かれています。

ただし残念ながら、これはどんな人にも効くというわけではありません。渡辺医師はこの方法に適さない人として、

・交代制の勤務で生活が不規則な人
・「睡眠時無呼吸症」「むずむず足症候群」などの病気が原因の人

を挙げています。

睡眠日記をつけていく

「昨晩何時に寝たか」「今朝何時に起きたか」「寝つくのにどれぐらい時間がかかったか」などの簡単な日記をつけていきます。

これをやると、自分の睡眠のパターンがある程度明確になり、不眠を招く問題点に気づくことがあります。私の場合、眠れないと思った時にすぐ時計を見ようとすることと、睡眠時間を稼ごうとして眠くもないのに布団に入ろうとすることです。そのため寝室の時計を全部他の部屋へ移し、眠くなってから布団に入るようにしました。

最初は「毎日日記なんてちょっと面倒だな」と思いましたが、2、3分で終わりますし、慣れると大したことはありません。それより自分の睡眠を客観的に見つめることで、問題の改善策をもっと”落ち着いて”考えられるようになります。やる価値は十分あったと思います。

遮光効果の高いカーテンに変える

光とか音っていうのは、私たちが思っている以上に睡眠を大きく妨害するそうです。自分が眠っていると思っても、光や音があると脳が勝手に活動してしまうんだとか。

渡辺医師がかつて不眠だった最大の理由が「光」なのだそうです。そこで遮光効果の高いカーテンアイマスクを利用することで、不眠を解消できたとか(本書あとがきより)。私の寝室は朝日が昇ると大分光が差し込んできてしまうので、遮光効果の高いカーテンに変えました。 

寝る前の水分補給をコップ1杯に

今までは夜も気にしないで飲み物を普通に飲んでいました。しかし快眠のためには、寝る前2時間以内に飲んでよい水分はコップ一杯といわれているそうです。

カフェインは午後3時を過ぎたらとらない

カフェインは寝る前にさえとらなければ良いと思っていたのですが、その覚醒効果はかなり長く続くそうです。ですので昼休みにコーヒーを飲んだ後は、その日はもうカフェインをとらないようにしました。

 

酒は寝る2時間前になったら飲まない

アルコールは体から抜けるのが比較的早く、離脱症状が生じ、それが不安や不眠につながってしまうそうです。酒を飲みたいときは少なくとも寝る2時間前までに、適量を飲むように心がけました。

できるだけ悩みを布団に持ち込まない工夫をする

仕事などの悩みを布団に持ち込めば不眠になりやすくなるのは当然なんですが、それが分かっていてもついあれこれ考えちゃうんですよね。結構厄介な問題です。 

しかし渡辺医師がいうには、夜になると人間の「何かを考える能力」は大分落ちるそうで、寝る前に考えるのは効率が悪いとか。このことを知ってから、「寝る前にあれこれ考えるのは無駄だな」と思えるようになりました。

渡辺医師は、明日考えるべき問題をリストにまとめておくことを勧めています。夜中に問題が頭に浮かんだら、それをリストに書き留めておいて、それ以上考えないようにするんですね。私はこの方法で少し改善しました。

刺激コントロール法を利用する

刺激コントロール法っていうのは、要は布団の中では睡眠以外の行動は避けようってことです。そうすることで「布団の中=睡眠」という意識付けを強化し、より眠りやすくなります。

具体的には、布団の中では睡眠以外のことを極力しない、15分以上(時計は見ないので大体の感覚で)眠れなかったら一旦布団や寝室を出る、眠くなったらまた寝室に戻る、です。

睡眠制限法を利用する

睡眠制限法とは、睡眠スケジュールを決めてそれを守ることで、体内時計のリズムを整えることです。

具体的には、日記をつけて分かった自分の平均睡眠時間に30分足した時間を「寝床にいて良い時間」に設定し(6時間を切るような場合は6時間に設定)、起床時間と床に入る時間を設定します。私の場合、寝床にいて良い時間は6時間、起床時間は6時、床に入る時間は0時でした。

今まではもっと睡眠時間を稼ごうとして0時以前に床に入る日(早く帰れた日)もありましたから、必ず0時まで床に入ってはいけないというのは最初はちょっと抵抗がありました。でも、こうすることで体に疲れがたまって「体が状態を元に戻そうとする力」が働き、睡眠の質が高まっていくとのことです。

1週間やって睡眠効率(実際に眠った時間(時計は見ないので感覚でOK) ÷ 床にいた時間 × 100)が85%を超えたら、床に入る時間を30分早めます。あくまで起きる時間は一緒です。85%を超えなければまた同じスケジュールで1週間過ごします。こうして少しずつ自分が理想とする睡眠時間に近づけていくわけですね。

夜中起きてしまったときにやることを決めておく

夜中に15分以上起きてしまったときは床を出ないといけないわけですが、じゃあ床を出て何をするのか?をあらかじめ決めておきます。これは「頭をあまり使わず、運動以外の楽しいこと」がいいそうです。でないとかえって眠れなくなってしまうので。

私は読みたいけどまだ読めてないという雑誌や漫画が常にありますので、それをあらかじめ用意しておき、夜中に起きてしまったら床を出て居間で読むようにしています。

休日もできるだけ同じスケジュールで過ごす 

体内時計を調整するためには、毎日同じスケジュールで過ごすことが重要です。よって平日だけでなく、できるだけ休日も同じ時間に寝て起きます。何週間か経って不眠が改善されれば、これをゆるめても大丈夫だそうなので、改善するまでの辛抱ですね。

1時間以上の昼寝はしない

当然ですが、昼寝をすると夜眠りにくくなります。昼寝は長くても1時間にとどめるべきとのこと。私は日中の集中力を保つために、15分の昼寝を1回と、1分の短期仮眠を複数回行うようにしていますが、夜の睡眠には特に悪影響は出ていないと思います。もし短期の昼寝・仮眠の方法に興味がある方はこちらをご覧ください。

睡眠は薬を使わなくても自分でコントロールできる

私が不眠を改善するまでにやったことは、大体こんな感じです。完璧に理想の睡眠がとれるようになったというわけではないのでしょうが、少なくとも生活に支障が出ることは無くなったと思うので満足しています。

他にも本書には不眠を改善するための方法や自己管理の詳しいやり方が書かれているので、興味のある方は本を手に取って確認してみてください。

この不眠解消法は別に「あっと驚く魔法みたいな方法!」というものではありません。しかしこの方法がRCT(ランダム化比較試験)でちゃんと効果が実証されたものであるという事実は、モチベーションを保つのにとても有利です。

不眠で悩んでいてまだ短期睡眠行動療法を試したことのない人は、一度やってみる価値はあると思います。