朝起きられない人へ-絶対寝坊しないための対策まとめ
朝起きられないために、人からの信頼を失う---
私たちの社会は寝坊に対する目が厳しいです。「寝坊するのは本人がだらしないせいだ」と思われることが多いからです。しかし朝起きられない本当の原因は、睡眠障害など何かしらの原因があることが多いのです。
何となく放置しているといつまでも解決できず、結局ずっと寝坊に生活の足を引っ張られ続ける、なんてこともあり得ます。現に何十年も寝坊が解消できず、まともな社会生活が送れなかったという人もいます。逆に、寝坊の原因を突き止め、しっかり対策をとれば寝坊は防げます。
このページでは、私たちが寝坊しない生活を手に入れるために、どんな対策をとればいいのか、まとめてみたいと思います。
睡眠外来で診てもらう
どうしても朝起きられない人がまず最初に考えるべきは、その道のプロに一度診てもらうことでしょう。睡眠外来では、睡眠障害に関する検査で原因を突き止めたり、専門医(日本睡眠学会認定医)による指導を受けることができます。
日本睡眠学会認定医のいる病院を探すには、日本睡眠学会サイトの以下のページから探すことができます。
⇒ 日本睡眠学会 - The Japanese Society of Sleep Research
特に子どもは起立性調節障害に注意
小学生、中学生、高校生で、「朝起きられない」「寝坊が多い」「朝異常にだるい」という場合、「起立性調節障害(OD)」の可能性があります。
起立性調節障害とは
起立性調節障害とは、脳や全身の血圧が低下する症状です。自律神経失調が原因と考えられています。
人間は立っていると重力で血液が下半身にたまってしまいます。そのため、下半身の血管をグッと収縮させて血液を上半身に戻し、全身の血流がとどこおらないようにしています。ところが、自律神経失調になるとこの機能がうまく働かなくなります。そのため脳や全身の血流が悪くなり、慢性的な疲労、思考力・集中力の低下、立ちくらみ、ふらつきなどの症状が出てきます。
起立性調節障害は、小学生の約5%、中学生の約10%がかかっているといわれています。また、大人にも起立性調節障害を抱える人はいますので、大人だから大丈夫というわけではありません。
起立性調節障害のさらなる詳細は以下のページで確認できます。
⇒ 起立性調節障害 Support Group
小児科や精神科で診てもらう
起立性調節障害はあまり認知度が高くありませんが、それでも最近は把握している小児科医が増えてきています。子どもが起立性調節障害の疑いがある場合は、一度小児科で診てもらったほうがいいでしょう。
大人の方の場合は循環器科などで起立性調節障害に詳しい医師に診てもらえます。
ストレスの元を解消する
起立性調節障害は自律神経失調が原因といわれていますが、では”なぜ”自律神経失調になったのか?そこを考えることも重要でしょう。学校や会社に対する恐怖、不安。そういった何かしらの強いストレスが、その人を自律神経失調に至らせる場合もあります。これはなにも起立性調節障害などの睡眠障害に限った問題ではありません。その人の健康全般に関わる問題です。
特に子どもの場合、家族だけで問題解決ができない場合は、子どもの心理に理解のある専門家に相談する必要があります。児童相談所はその選択肢の1つになるでしょう。
⇒ 全国児童相談所一覧
また、子ども自身が直接相談することができるのは「チャイルドライン」です。親や周りの大人に相談できない、あるいは相談しても解決できない問題がある場合、一人で悩まずに一度電話してみるのも一つの手です。
⇒ チャイルドライン
高照度光療法
高照度光療法とは、5,000~10,000ルクスの光を目から取り込み、体内時計をリセットする治療法です。寝る時間が前後にズレてしまう(概日リズム睡眠障害)人には特に有効であるといわれています。睡眠障害を専門とする三島和夫医師は、「体内時計に一番影響を与えるのは光」と述べています。
人間は、メラトニンというホルモンの分泌量が脳で増えたとき、眠くなります。このメラトニンには、明るい光を浴びると分泌が抑制され、その約15時間後にまた分泌が増える、という特徴があります。この特徴を利用したのが高照度光療法です。朝起きた直後に光を浴びることで、約15時間後(つまり夜)にメラトニンが増えて眠くなるようにするのです。ほかにも、高照度光療法はうつ病にも効果があるとされています。
日光を浴びてもいいのですが、実際の治療では以下の理由で専用の照明器具を使って行われることが多いです。
・天気の影響を受けない(雨や曇りの日は光が弱いため、照射時間を増やさなければならない)
・室内で行える(寒い日などは外に出ること自体億劫になることも)
・照度を変えられる(目にストレスを感じる照度は人によって違う)
専用の照明器具を持っておくと楽
高照度光療法は睡眠外来で受けることができますが、自分で行うことも可能です。その際、光療法専用の照明器具を持ってるとやりやすいです。
「光療法推進委員会」という、医師の集まりが運営しているサイトがあります。
⇒ 光療法推進委員会
ここが推奨している照明器具が、「ブライトライトME+」 です。
⇒ ブライトライトME+
これだとちゃんと10,000ルクスの光が出ますし、照度を変えることもできます。またタイマー付きなので朝起きる時間にセットしておけば光を浴びながら起きることができます。照射時間の目安は、10,000ルクスで20分(照射距離30cm)、5,000ルクスで40分(照射距離50cm)です。
ブライトライトME+のさらなる詳細については以下を参考にしてください。
⇒ 高照度光療法のプロ、ブライトライト専門店
寝室の環境を整える
寝室が眠るのに適した環境でないと睡眠の質が下がり、朝起きるのがつらくなります。ここでは一般的に効果があるといわれている寝室の整え方について述べたいと思います。
枕は寝返りを計算したものを
寝具は好みの問題もありますが、今回は中でも”特に気をつけたいポイント”について述べていきます。
まず枕ですが、頭が前にも後ろにも傾かず、ベッドと平行を保てるような高さが理想とされています。人は一晩で平均20回は寝返りをうつといわれていますが、問題は仰向けと横向きとで頭の高さが変わるということです。横向きの時は肩幅の高さになりますから、仰向けの時より高くなるのです。
この寝返りを計算し、中央がへこんでサイドが盛り上がっている枕があります。これだと寝返りを打った時も頭の高さが適切に保たれます。枕全体の高さが変えられるタイプだとさらに調整しやすいです。
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除湿シートやすのこで布団をいつもサラサラに、ダニ・カビ防止も
布団の下に敷く除湿シートがあれば、湿気の多い夏場でも快適ですし、ダニやカビも防いでくれます。
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朝日が当たらない位置で寝るか、遮光カーテンをひく
明け方になって日光が目に入ってくると、そのタイミングで体内時計がリセットされてしまいます。これだと自分が本当にリセットしたい時間と実際の体内時計にズレが生じてしまい、その結果朝起きたい時間に起きられない、ということにつながりかねません。その場合はベッドや布団を朝日が当たらない位置に置くか、遮光カーテンをひいて光が当たらないようにするといいです。
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”頭寒足熱”になるように工夫する
昔から良い睡眠には頭寒足熱が重要であるといわれています。頭が冷えて足が温まると副交感神経が優位になり、リラックスして眠りやすくなるからです。
この頭寒足熱を実現しやすくするために、まずエアコンと寝床の位置関係が重要です。夏は冷風が足に当たらないように、冬は温風が頭に当たらないようにします。
また、枕カバーに冷感カバーを使用するという手もあります。ひんやりして気持ちいいです。
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夕方~夜はできるだけ明るい光を浴びない
夕方から夜にかけて明るい照明の光を浴び過ぎると、体内時計が狂います。PC、テレビ、携帯を見たり、コンビニに入って明るい照明を浴びたりするのはできるだけ控えた方がいいでしょう。
しかし仕事や人間関係のこともありますから、「PCや携帯を絶対に見ないなんて無理」という人も多いと思います。その場合はブルーライト対策をしておくといくらかマシになります。
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ただしこれらはブルーライトを”軽減”するだけのもので、完璧に防いでくれるわけではありません。あくまで基本は”できるだけ光を浴びないようにすること”です。
暖色系の照明を使う
暖色系の照明は体内時計に影響しないといわれているので、夕方から夜にかけてはできるだけ暖色系照明を使うようにすると効果的です。白色と暖色を切り替えられる照明も便利でいいでしょう。山善のLEDシーリングライトのようなものですね。
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他にもスタンドタイプ、キャンドルタイプなど色々あります。
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刺激物全般を避ける
たばこ、カフェイン飲料など、こういう刺激物は覚醒作用があるので避けます。また、寝酒を毎晩やってるとアルコールに耐性がついてしまい、夜間にアルコール血中濃度が下がって覚醒するようになってしまいますので、寝酒もやめたほうがいいですね。