髪にいい食べ物・栄養は?専門家もよく勧める食品10品

健康で美しい髪を作るためには、”バランスのよい食事”が必須です。健康的な髪はあくまで健康的な体の上にできるもので、バランスの偏った食事では健康的な体は作れません。

とはいえ、”特に髪にいいとされている食べ物”が存在することも事実です。

管理栄養士の沖 五月さんは髪にいい食生活&食べ物の中で「髪にいい食べ物だからといって、そればかりを食べていてもダメ。いちばん大切なのはバランスよく食べること。その上で髪にいい食べ物を知識として知っておくことが重要なのです」と述べています。髪の健康が気になる人は、髪にいい食べ物も積極的に取り入れていきましょう。 

 

髪にいい栄養

食品科学専門家のJoshua Arimi博士は、「健康的でつやのある強い髪を作るには2つのキーがあり、それは”しっかりした毛包(follicle)が育つ健康的な頭皮”と”強い毛幹(hair shaft)が育つ健康的な体”(画像)だ」といいます。

そしてそれら2つを作るのに特に重要な栄養が、「たんぱく質・ヘルシーな脂肪・水・各種ビタミン・ミネラル」であるとしています。それぞれの栄養素について簡単にまとめてみました。

たんぱく質

髪の約90%以上はケラチンというたんぱく質でできています。このケラチンを構成する元のアミノ酸であるメチオニンは必須アミノ酸(体の中で作れないアミノ酸のこと)なので、体の中では生成できません。だから食事でたんぱく質をとらないと、髪の原料は不足していくことになります。

たんぱく質が不足すると髪が細くなるだけでなく、色素細胞の機能が低下して白髪が増えます。

オメガ3脂肪酸

髪の毛幹を作ったり、頭皮の細胞膜を作ったり、頭皮や髪が乾燥するのを防ぐ油を作ったりするのに必要な成分。青魚によく含まれていることで有名なDHAやEPA、また植物油・ナッツ類によく含まれるαリノレン酸などは、このオメガ3脂肪酸に分類されます。不足すると髪が乾燥し、もろくなり、髪の毛の成長が遅くなり、ふけも増えます。

各種ビタミン

ビタミンは他の栄養素がうまく働くための潤滑油のような存在で、当然強くて美しい髪を作るためにも重要です。ほとんど体内で作れないので、食事でしっかりとる必要があります。ただし過剰摂取は逆に体によくないので注意。

ビタミンA

頭皮の新陳代謝を促進させ、健康に保つ働きがあります。欠けると乾燥しやすくなります。 

ビタミンB群

たんぱく質を髪にするために必要。他にも頭皮の健康を維持したり、血行をよくする働きもあります。

ビタミンC

髪を太く強くするコラーゲンの生成を助けます。あとストレスを抑制してくれる働きもあります。髪にストレスは天敵なので、重要です。

ビタミンE

毛細血管を広げ、髪への栄養の運搬をスムーズにします。

ミネラル

ミネラルも体内で作れないため、食事での摂取が重要です。特に現代人はミネラル不足の人が多いといわれています。とりすぎても毒になるため、常識的な量をとるようにしましょう。

亜鉛

様々な酵素の材料になる重要なミネラル。また、抜け毛の原因である5αリダクターゼを抑制する働きがあるとされており、抜け毛対策にとっても重要な栄養素といわれています。

カルシウム

カルシウムが不足すると脳の神経細胞の働きが悪くなります(イライラするのはそのため)。すると髪の生成がスムーズにいかなくなり、脱毛の原因にもなり得ます。

セレニウム

とても強い抗酸化作用があり、髪の老化を防ぎます。

鉄分

血行を良くします。

 

髪にいい食べ物

では次に、管理栄養士などが髪の健康についてアドバイスするときによく勧める食べ物についてまとめてみます。

たまご

たんぱく質を豊富に含むうえに、亜鉛、セレニウム、鉄も含んでおり、髪にとって都合のよい食べ物です。

ただし食べ過ぎるとコレステロール過多になってしまうので、1日1個程度が無難です。

青魚

DHAやEPAのオメガ3脂肪酸なら、サンマ、カツオ、サケ、サバ、マグロ、イワシ、ブリ、ニシン、マスなどの青魚が豊富。そのほか各種ビタミンやミネラルもたくさん含んでいます。

クルミ

αリノレン酸(オメガ3脂肪酸)やビタミンE、亜鉛を豊富に含むだけでなく、頭皮の健康を守り、コラーゲンの生成を促進する”ビオチン”、髪を黒く美しく保ってくれる”銅”なども豊富に含んでいます。

クルミを食べる習慣のない人は、胡桃(クルミ)油亜麻仁油を使うという手もあります。ニューヨークの皮膚科専門医・Cybele Fishman医師は、「オメガ3脂肪酸を摂取するために、胡桃油をサラダのドレッシングとして使ったり、強火で素早く炒めるときに使うのもよい」と述べています。

海藻(わかめ、ひじきなど)

わかめやひじきなどの海藻には豊富なミネラル・ビタミン・食物繊維が含まれており、髪にいいといわれています。

ただ、昔からよく言われていた「海藻を食べると髪が生える」という話には、医学的根拠は無いとされています。強く美しい髪のために海藻を勧める専門家が多いのは、あくまで現代人に不足しがちなミネラルやビタミンを豊富に含んでいるためです。

カキ

亜鉛が豊富なことで有名。

厚労省の「日本人の食事摂取基準2010年版」によると、1日の摂取基準量は男性が12mg(上限40mg)、女性が9mg(上限35mg)だが、カキなら2粒で約16mgが摂取できます。

ビターチョコレート

ダークチョコレート、ブラックチョコレートとも呼ばれる、カカオマス40~60%のチョコレートのことです。このカカオ分にたんぱく質やビタミン、ミネラルなどが含まれており、髪にいいとされています。豊富に含まれているポリフェノールのおかげで抗酸化作用、がん抑制も期待できます。

ちなみにAmazonを見ると、カカオ分70%以上のチョコレートでは明治チョコレートが人気です。

ヨーグルト

豊富なカルシウムが魅力。普段の食事に付け加えやすいこともあり、アメリカでは勧める専門家が多いです。

他にもたんぱく質やビタミンなど、髪にとって重要な栄養素を含みます。

ニンジン

ベータカロチンが豊富。ベータカロチンは抗酸化作用があるだけでなく、体内でビタミンAに変わり、頭皮の新陳代謝を促進させ、健康に保つ働きをします。不足すると乾燥しやすくなり、ふけが出やすくなります。

ブルーベリー

特にアメリカでは人気の食べ物。

アメリカ合衆国農務省は、40種の野菜や果物のなかで最も強い抗酸化力を持つのがブルーベリーであると発表しています。抗酸化作用の主役は”アントシアニン”(ポリフェノールの一種)。これが髪だけでなく、体全体の老化を防いでくれます。他にビタミンEやビタミンCも豊富です。

ブルーベリーはスーパーによっては売っていませんが、楽天Amazonならいつでも購入できます。

トマト

アンチエイジングの抗酸化剤・リコピンをとるにはベストな食べ物。美肌・美容成分として有名なリコピンですが、頭皮環境を整え、強くて美しい髪を作るにもいいです。

またリコピンには「調理・加工されても成分が壊れにくい」という嬉しい特徴があります。だからトマト現物にこだわらなくても、トマトケチャップやトマトソースの缶、トマトジュースなどから手軽に摂取できます。

他にもビタミン・ミネラルを豊富に含みます。