にきびを治す方法 大人・思春期にきびを確実に治すには

にきびがない人というのは、実はほとんど存在しません。にきび治療推進委員会の調査によると、20代女性の97%が隠れにきび(白にきび・黒にきび)にかかっていることが判明しました。また、6割の女性が誤ったセルフケアでにきびを悪化させた経験があるそうです。おそらく男性もかなり多いでしょう。またビデオリサーチの調査によると、20代の男女が初対面の異性で気になる肌状態No.1が「にきび」なのだそうです。

今回はそんな厄介なにきびを治す方法について、まとめてみたいと思います。

 

にきびは早めに治すと痕(あと)が残らないですむ

にきびには進行の段階があり、早めの段階で治せばそれだけ痕が残りづらくなります。

白にきび 黒にきび 赤にきび 黄にきび
皮脂が毛穴に詰まっているが炎症は起きていない 白ニキビの毛穴が開き、酸化して黒ずんでいる 白にきびに細菌が感染して炎症を起こしている 赤にきびがさらに悪化し、化膿している

まだ炎症が起きていない白にきびや黒にきびのうちなら、にきび痕を残さずに治すことができるのですが、炎症が起きてしまった赤にきびや黄にきびは、炎症が治った後の皮膚へのダメージが大きいと痕が残ってしまうことがあります。よってにきびはできるだけ早い段階で治してしまい、再発しづらい生活習慣を身につけることが重要です。

日本皮膚科学会が推奨する治療法

にきびを治すなら、まず初めに確認したいのが「尋常性痤瘡 (じんじょうせいざそう:にきびの医学的名称) 治療ガイドライン」(PDFファイル)です。これは日本皮膚科学会が作ったもので、にきびを治すのに適した方法を科学的に検証し、それぞれの方法がどれだけ推奨できるかをA~Dまでのランクに分けたものです。

この中で推奨度A (使用を強く推奨) の高い評価を受けているのが、アダパレン外用です。アダパレンとはにきびを治すのに有効とされている成分のことで、皮膚科で処方される製品の名前は「ディフェリンゲル」といいます。「外用レチノイド」とも呼ばれます。

ディフェリンゲルを使うには、基本的にまず医師の診断が必要です。全ての医療機関で扱っているとは限らないので、皮膚科に行く前に問い合わせてディフェリンゲルを扱っているかどうか確認したほうがいいですね。ちなみにこのサイトで検索できる皮膚科ではディフェリンゲルを扱っているそうです。

副作用を理解しておくことが重要

現在のところ、最も効果的なにきび治療薬とされているディフェリンゲルですが、副作用も存在します。主な副作用として、

・肌の乾燥
・ヒリヒリ感
・皮膚がむける
・赤くなる
・かゆみが出る

などがあります。ディフェリンゲルを使用する人のうち、80%の人にこれら副作用のいずれかがあらわれますが、普通は1か月程度でおさまってきます。

このことを知らず、副作用が出たからといってすぐに使用をやめてしまう人がいますが、それだとディフェリンゲルの効果がほとんど出ないまま終わってしまいます。副作用はいずれ落ち着くのでその間だけは我慢し、継続して使用することが必要です。しかし副作用の程度によっては治療を中断する必要があるときもあり、その判断は担当医が行います。

ディフェリンゲルの副作用についてはこちらに詳しく書かれています。全国全ての皮膚科医が完璧に説明してくれるという保障はないので、皮膚科に行く前に必ず自分で理解しておき、疑問点が出てきたら皮膚科医に質問して解消しましょう。

ケミカルピーリングなどの推奨度はCランク

ケミカルピーリングとは、グリコール酸やサリチル酸を皮膚に塗って、角質層をはがす治療法です。皮膚科ではにきび治療法として、このケミカルピーリングを行っているところがたくさんあります。

しかしガイドラインによると、ケミカルピーリングの推奨度はCランクで、「標準治療が無効だったり実施できない場合には選択肢の一つとして推奨する」としています。他にも、光線療法やレーザー治療といった治療法の推奨度もCランクです。

つまり日本皮膚科学会は、「ケミカルピーリングや光線療法、レーザー治療といった治療法をいきなり選択するのではなく、まずはディフェリンゲルなど最も推奨できる治療法を試し、それでも何かしらの理由があって治らないなら選択肢として検討してみてはいかがか」といっているわけですね。

 

生活習慣の改善は必須

にきびを治すには生活習慣の改善が必須です。いくら皮膚科で最適な治療を受けても、生活習慣が悪ければまたすぐににきびができてしまうからです。また、軽度なにきびなら生活習慣を改善するだけで治ることも多々あります。

一般的に皮膚科医が薦める生活習慣についてまとめると、こんな感じになるかと思います。 

正しく洗顔する

顔の肌を清潔に保つことはとても重要です。ガイドラインでは1日2回洗顔することを推奨していますが、実際はその人の肌質によって変える必要があります。肌が乾燥しづらい人なら、汗をかいたらすぐ洗顔するなど、1日2回にこだわらず細めに洗顔してもよいですが、乾燥しやすい人は朝と夜だけにするなど回数を抑えた方がいいでしょう。 

肌を傷つけたり強い刺激を与える洗顔は、よりにきびを悪化させかねないので注意が必要です。

・先に手を洗い、手の汚れを落とす。
・蒸しタオルで毛穴を開いておくと、毛穴の汚れや皮脂を落としやすくなる。
・体温くらいのぬるま湯で素洗いをする。
・石鹸や洗顔料はしっかり泡立て、泡で肌をなでるようにクルクル円をかきながら優しく洗う。絶対手で肌をこすったりしない。
・ 同じく体温くらいのぬるま湯で洗い流す。このときも手で肌をこすらない。少しでも残すと肌が荒れ、にきびにつながってしまうので、ちょっとしつこいぐらい丁寧に洗い落とす。あごや首筋、髪の生え際などは残りやすいので注意。
・清潔で柔らかいタオルを優しく押し当てるようにして水気をとる。絶対こすらない。
・洗顔後は油分の少ない化粧水やクリームで保湿を行う。

ストレスをためない工夫をする

ストレスを感じると男性ホルモンの分泌が増え、それに応じて皮脂分泌も増え、角質が厚くなって毛穴が詰まりやすくなります。精神的ストレスだけでなく、肉体的ストレス(睡眠不足、栄養不足、過度の飲酒、喫煙など)も男性ホルモンの分泌を増やすので注意です。

睡眠時間と寝るタイミングに気をつける

人間の体は夜間に成長ホルモンを分泌し、新しい細胞をどんどん作ります。そのホルモンの分泌が活発になるのが22時~26時といわれています。できればこの時間内に眠っているようにしたいところです。

また、睡眠不足はにきびの問題のみならず、万病の元です。何時間眠るべきかはその人の体質によるので一概にはいえないのですが、最低でも6時間以上は取った方がいいとする医師が多いです。

食生活のポイント

体は食べたものの栄養を元に作られ、維持されているので、栄養が足りなかったり偏ったりすれば健康な肌は作られず、にきびは悪化する一方です。

タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維と、六大栄養素をバランスよくとることが基本ですが、特にビタミンは抗酸化作用があったり角質の代謝を促したりと、美肌作りにとても重要な働きをするうえ、現代人が不足しがちな栄養素なので、積極的に取り入れるようにしたいところです。忙しいなどの理由でどうしてもビタミン不足になってしまう場合は、マルチビタミンサプリで補うという方法もあります。 

化粧の注意点

化粧が原因でできるにきびのことを「コスメティック・アクネ」といいます。ファンデの油分と肌の皮脂が混ざり、活性酸素によって酸化され、これが肌にダメージを与えてにきびの原因になります。また、ファンデが毛穴をふさいでしまうことも問題です。

化粧はしないで済むならそれが一番ですが、する場合はせめて薄くするとか、油成分の多い化粧品を控えるとか、家に帰ったらできるだけすぐにクレンジングして落とすようにするなど、肌への負担を最小限におさえる工夫が必要です。化粧を落とさないまま寝る、なんてことは絶対NGです。 

ファンデのパフやブラシなどの化粧道具は、一度使うと皮膚の常在菌や皮脂が付着し、だんだん菌が繁殖していきます。できれば毎日洗い、清潔に保ちましょう。

日焼けを防ぐ

紫外線にあたると大量の活性酸素が発生し、にきびを悪化させます。また、肌が紫外線を防御しようとして角質が厚くなることにより、毛穴をふさいでしまい、皮脂がたまります。これもにきびをひどくする原因になります。

日焼け止め対策として、帽子や日傘など利用できるものは利用したほうがいいです。

日焼け止めを塗る場合は、SPFの低いものの方が肌への負担が小さくなりますが、具体的にどの日焼け止めがいいかは人によって全然違うので、ニキビ対策用日焼け止めなどの口コミを参考にしつつ、実際に使いながら自分に合うものを見つけ出すしかないと思います。

過剰な飲酒とたばこをやめる

過剰な飲酒は皮脂の分泌を促進します。また、たばこは肌作りに欠かせないビタミンCを大量に破壊してしまいます。できるならやめたほうがいいです。

顔を触るのをやめる

気になる部分をつい指で触ったり、ほおづえをついたりすると、菌が付着してにきびが悪化します。無意識にやってしまうことが多いので、一度顔を触るクセが自分にないかどうか確認したほうがいいです。 

できるだけ髪が顔に触れないようにする

前髪の毛先が額にさわると、それが刺激となってにきびを悪化させます。顔に触れないヘアスタイルにできるなら、それがベターです。

まとめ

にきびがひどい場合は、何はともあれまずは皮膚科にいき、専門医に診てもらいましょう。皮膚科で処方される薬の効果は、他では代わりがききません

「皮膚科に行くべきかどうかわからない」と迷っている方も、一度皮膚科に行って診てもらうことをオススメします。ニキビは痕を残さないためにも、ひどくなってからではなく、軽いうちにしっかり治してしまうことが重要です。

また、現時点でにきびがひどい方もそうでない方も、生活習慣の見直しは必須です。現在のにきびを治すだけでなく、将来のにきびを予防するために、生活習慣の改善は必ず行いましょう。